JAWRICは、農林業の生産基盤であり、地域の生活・物流・防災を支える広域的な農道・林道(広域農林道)について、調査・計画から整備、維持管理、防災、研究開発、市町村支援、情報発信までを一貫して担う機構です。平成10年の設立以来、都道府県・市町村・土地改良区と連携しながら、広域的な視点で路網を捉え直す事業を進めてまいりました。
農林道は、担い手の減少、資材価格の上昇、豪雨や地震の頻発など、厳しい環境に置かれています。だからこそJAWRICは、単に道をつくるだけでなく、つくった後の維持管理と、災害時の機能確保までを見据えた事業設計を行います。ここでは、当機構が担う6つの事業の全体像と、事業の進め方をご紹介します。
広域農林道の整備
基幹的な農道・林道の新設・改良を、流域や広域ブロック単位で計画し整備します。調査・測量から施工管理までを担います。
維持管理・長寿命化
点検・診断に基づき、舗装や構造物の補修計画を策定。限られた予算で路網ストックを長く使う仕組みを支えます。
防災・災害復旧
被災時の初動復旧を支援し、災害に強い迂回路網の計画や法面・盛土の対策を技術面から支えます。
技術・調査研究
ICT施工、ドローン測量、環境配慮型工法などの実証テーマに取り組み、現場で使える知見として還元します。
市町村支援・人材育成
技術職員が不足する市町村への派遣支援と、農林道技術者の研修・資格取得支援をあわせて実施します。
情報提供・普及啓発
整備統計や技術資料、事例集を公開し、出前講座や広報誌を通じて農林道への理解を広げます。
事業の進め方
JAWRICの事業は、市町村や都道府県からのご相談を起点に、おおむね次の6つの段階を経て進みます。それぞれの段階で、当機構の技術職員が現地に足を運び、関係機関との調整を行います。事業の規模や緊急性によって段階の一部を省略・並行して進めることもありますが、流域単位で路網を捉えるという基本姿勢は変わりません。
- ご相談・一次調査 — 市町村等からのご相談を受け、対象路線の現況、利用実態、被災履歴などを整理します。
- 現地調査・測量 — 地形・地質、法面、構造物の状況を確認し、必要な測量と環境調査を実施します。
- 計画・概算設計 — 広域的な路網計画の中での位置づけを確認し、路線計画と概算事業費をまとめます。
- 事業化検討・合意形成 — 地元説明、関係機関協議を重ね、事業の範囲と財源の枠組みを固めます。
- 詳細設計・発注 — 設計図書を作成し、入札・契約手続きを経て施工者を決定します。
- 施工管理・完成検査 — 品質・工程・安全を管理し、完成後は出来形を確認して供用に引き継ぎます。
供用後は、維持管理の事業へと引き継ぎます。整備した路線が確実に機能し続けることが、農林業の生産性と地域の暮らしを支えることにつながるためです。
工程標準的な進め方と期間の目安
| 段階 | 主な内容 | 期間の目安 | 主な成果品 |
|---|---|---|---|
| ご相談・一次調査 | 要望整理、現況把握、課題の抽出 | 1〜2か月 | 調査票、課題整理表 |
| 現地調査・測量 | 地形・地質調査、路線測量、環境調査 | 3〜6か月 | 調査報告書、測量成果 |
| 計画・概算設計 | 路線計画の比較検討、概算事業費の算定 | 2〜4か月 | 計画書、概算設計図 |
| 事業化検討・合意形成 | 地元説明、関係機関協議、財源調整 | 3〜12か月 | 協定書、説明資料 |
| 詳細設計・発注 | 設計図書の作成、入札・契約手続き | 4〜8か月 | 設計図書、契約図書 |
| 施工管理・完成検査 | 品質・工程・安全管理、出来形確認 | 1〜3年 | 施工管理記録、完成図書 |
※ 表は左右にスクロールできます。期間は標準的な目安であり、地形条件・事業規模・協議の進捗により変動します。
6事業の連携
6つの事業は、それぞれ独立して動いているわけではありません。たとえば、新設した路線の点検計画を整備時点で立てておくこと、被災履歴を設計に反映すること、実証で得た知見を技術基準に組み込むことなど、事業間の連携によって路網全体の価値を高めています。
こうした連携を支えるのが、当機構が蓄積してきた調査データと技術基準です。詳しくは技術・調査研究および技術基準・マニュアルをご覧ください。
事業に関するご相談
路線の計画、維持管理、災害復旧、人材育成まで、お気軽にご相談ください。