日本広域農林道整備機構は、広域的な農林道の整備を一貫して担う法人として1998年に設立されました。ここでは、機構の目的・体制と、設立から現在までの歩みをまとめています。
機構の概要
機構は、農林業の生産基盤であり、中山間地域の生活と物流を支える農道・林道について、広域的な整備、維持管理、調査研究を総合的に行うことを目的とする機構です。国や都道府県が担う幹線的な施策と、市町村が担う地域に密着した事業の間に立ち、両者をつなぐ役割を果たしています。
業務の範囲は、農林道の新設・改良の調査計画、設計、施工管理から、既存施設の点検・診断・補修、災害時の復旧支援、技術基準の策定、市町村職員の研修まで多岐にわたります。設立から28年を数え、全国のブロック事務所を通じて各地域の事業を支えています。
- 名称
- 日本広域農林道整備機構
- 目的
- 農林業の生産基盤である農道・林道の広域的な整備、維持管理及び調査研究を行い、農林業の振興と中山間地域の生活環境の向上、災害に強い地域づくりに寄与すること。
- 設立
- 1998年4月1日
- 代表者
- 理事長 影山 直人
- 業務範囲
- 広域農林道の整備に関する調査・計画・設計・施工管理/農林道施設の維持管理・長寿命化/防災・災害復旧に関する支援/技術基準・マニュアルの策定/技術・調査研究/市町村支援・人材育成/情報提供・普及啓発
- 組織体制
- 理事会・理事長のもとに企画部、整備部、研究部、管理部の4部門と、全国5ブロックの事務所を置く。
- 連絡先
- 代表メール info@jawric.org
設立の経緯
1990年代、農林業をめぐる環境は大きく変わりました。農村の担い手が減少し、既存の農道・林道の老朽化が進む一方で、農産物の広域流通や林業の搬出には、市町村の枠を越えた路線の整備が求められるようになっていました。
こうした課題に対応するため、1996年度から関係機関による検討が始まり、広域的な農林道の整備を専門に担う法人を設立する方針が固まりました。1998年4月1日、東京都に日本広域農林道整備機構が発足し、翌年度から本格的な事業を開始しました。
設立当初は首都圏を中心に事業を行っていましたが、地域からの要請の高まりを受けて順次ブロック事務所を開設し、現在では全国の広域農林道事業を一元的に支援する体制となっています。
沿革
- 1998年 日本広域農林道整備機構を設立(4月1日)。東京都内に事務局を開設し、広域農林道の調査・計画業務を開始。
- 2001年 北陸ブロック事務所を開設。積雪地域における農林道の整備手法の検討に着手。
- 2004年 中部・近畿ブロック事務所を開設。全国4ブロック体制での事業展開を開始。
- 2008年 技術基準「広域農林道整備指針」を策定。設計・施工の標準的な考え方を初めて体系化。
- 2012年 中国・九州ブロック事務所を開設。全国5ブロック体制が整う。既存施設の点検・診断業務を本格化。
- 2016年 維持管理・長寿命化を専門に扱う研究部を設置。「農林道施設の長寿命化の手引き」を公表。
- 2019年 ICTを活用した施工管理の実証を開始。3地区のモデル事業で効果を確認。
- 2021年 災害時における農林道の迂回路確保に関する調査を実施。市町村向けの防災計画支援メニューを整備。
- 2023年 事業評価委員会を設置。事業の事前・事後評価の仕組みを導入。技術相談窓口を一本化。
- 2026年 第4次中期計画(2026〜2030年度)を策定。維持管理と防災を重点分野に位置づけ、DXの推進を開始。
これまでの主な取組み
設立から現在までの取組みは、大きく3つの時期に分けられます。設立から2000年代半ばまでは、広域的な路線の新設・改良を中心に、路網の骨格を形成する時期でした。2000年代後半からは、策定した技術基準を各地域へ普及させ、設計・施工の品質を均一化する時期へと移りました。
2010年代以降は、既存施設の維持管理と防災が中心的な課題となっています。点検・診断に基づく計画的な補修、ICT施工の普及、災害時の迂回路確保の検討など、すでにある道をどう使い続けるかというテーマに取り組んでいます。
第4次中期計画(2026〜2030年度)では、「維持管理の高度化」「災害に強い路網の形成」「地域の技術力の底上げ」の3つを重点分野としています。計画の概要は、事業紹介でご案内しています。